『平和学から見た環境問題』 2002年4月27日 宮寺
ここでは世界経済をサブシステンスという視点から捉える。
1.サブシステンスとは何か
subsistence :本質,生存維持的,自立と自存の経済(玉野井氏)
(cf. substance:実体,主体)
用例 subsistence whaling (イヌイットによる非商業捕鯨)
本質=他から独立してそれだけで存在するもの
→市場経済の外部にある,民衆の自律的管理のもとにある経済活動
※ これが理想的な社会関係かどうかはまた別の話 例:家父長制の問題
2.サブシステンスと世界資本主義
ポイント:サブシステンス領域をいかにして世界経済の分業構造に組み入れるか
市場経済 サブシステンス
サブシステンスは市場経済の外部(貨幣で対価を受け取らない)であるが,市場経済と無関係ではない。市場経済にて用いられる労働力の再生産をしばしば受け持っている。市場経済の側からみれば,労働力再生産コストの外部化。
例1:税金を払うために,自営農民が換金作物を生産する。当然自家消費用生産も平行して行わない,生活を維持する。
例2:輸出加工区で働く父親(娘)低い賃金率で働いているが,その世帯のサブシステンス生産(農業)によって生活を維持している。
3.サブシステンスの世界経済への組み入れ(incorporation)と分節化(articulation)
@ 植民地化 課税,換金作物の生産の強制
人種差別イデオロギー
A WWII後,国民国家の形成
民族自決主義+開発主義イデオロギー (国連)