(アイウエオ順)
講師陣の自己紹介です。書式はバラバラですが、それも個性と言うことで・・・・

秋山祐子(あきやま ゆうこ)

所属;特定非営利活動法人ピースデポ

四国学院大学在学中からずっと巡り合わせのままに国内外のさまざまな問題現場を訪ね歩いてきた。そこで生きる人たちの顔を思い浮かべながら、せめて悪いことをせずに生きようと現在の職に。だだし、その結果は…。

気がついてみれば、平和学で人生踏み外したようなものだなと思うこのごろ。というか私の出会ってきた人たちの影響により今の私があります。道の踏み外し方を実践して見せてくれた多くの人に感謝?!

伊藤 美幸(いとう みゆき)(担当予定日 6/8・15)

1976年生まれ
出身 東京 (現在横浜在住)
フェリス女学院大学国際交流研究科博士後期課程
WFP国際連合世界食糧計画日本事務所 コンサルタント

 興味分野は食糧問題。自分で作って(和・洋・お菓子・パンなど)食べるのも好きですが、研究はもっぱら飢餓についてです。修士の時に、しばらくフィリピンのネグロス島の山の中の村人の家に泊り込んで、そこの食糧事情を調べていました。
 今は興味が高じて、食糧援助機関WFP(横浜の桜木町に日本事務所があります)でコンサルタントとして働いています。また、最近人口問題との絡みから、リプロダクティブ・ライツについても調べるようになりました。

 趣味はレシピ集め。このところのマイブームはハリネズミです。彼らのキュート(?)な格好は癒しパワーがあるのか、淋しくなるとインターネットで飼い主のページを見てます。忙しくて飼えないのが残念。


小川 景子(おがわ けいこ)(担当予定日 6/22・29)

出身 栃木
国際医療福祉大学保健学部教員
横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程在籍

  助産婦学校卒業後、6年間国立病院で助産婦として勤務し、その後看護教育に携わっています。2001年4月より現職です。
  関心領域は助産史で、修士の時は、出産のプロセスに近代医学が導入されるなかで助産を行う産婆という職業がどのように制度化され教育が行われたのか、その中で産婆はどのような方法で助産を行ったのかを調べました。フィールドとして神奈川県を選び、明治期から昭和戦前期までの文書史料の分析と聞き取り調査によりまとめました。聞き取り調査は、昭和10年代に資格をとった90歳と79歳の助産婦さん(2000年当時)に行いました。当時の教育方法、開業するまで先輩産婆について修業した様子、自宅出産の方法などを聞く中で、多くの学びがありました。  最近は、出産にとどまらず生殖のプロセスへと関心が広がり、その技術のあり方について調べるようになりました。

 趣味は食べ歩きと温泉めぐりで、昨年神奈川から栃木県那須に転居してからは、近くに温泉がたくさんあるので行く機会が増えました。

郭 洋春(かく やんちゅん)(担当予定日 5/25)

所属:立教大学経済学部教授
生まれ:1959年生まれ
研究テーマ:開発経済論。開発経済学と書くと今まで開発途上国をいかに発展させるかという、体制寄りの学問の意味を持ちますので、敢えて開発経済論としています。
従って、私の関心は開発途上国にとって望ましい開発とは何か、にあります。通常の開発は環境破壊を必要悪と考え、民主主義的政治システムの遅れを止むを得なしとし、不平等発展はいずれ解消するとしています。しかし、こうした考え方はあくまでも強者=支配者の考え方であり、その時点で虐げられ、抑圧されている人の立場・痛みを理解しない考え方=傍観者的立場です。このような現状追随的な考え方・態度を是正し改めることができるような、新たな開発パラダイムを構築することが研究テーマです。

草島 豊(くさじま ゆたか)(担当予定日 6/22)

 東北大学理学部化学卒業後、ぷー3年。西南学院大学神学部を経て現在、三鷹バプテスト教会の青少年担当牧師。公害問題たけなわの幼少期、田中正造の伝記に感動し将来は公害をなくすために科学者になるのだ、と意気込み…大学時代に挫折。東南アジア諸国でのNGOスタッフを模索しフィリピン・ネグロス島訪問。そんなぷーの3年間に様々な出会い、人との出会い自分自身との出会いがあり現在牧師となっています。
 東京に出てきて、ふとしたきっかけで環境平和研究会に参加することになり、再び環境問題と関わるようになり不思議な気がします。人生ちょっとした遠回りも面白いですね。普段は教会でぼ〜っとお昼寝ではなくて祈りと黙想(睡眠)の日々?

栗田 英幸(くりた ひでゆき)(担当予定日 7/6)

 東北大学で、工学部−国際文化研究科修士課程−農学研究科博士課程と渡り歩き、現在は愛媛大学法文学部で国際開発論と市場経済論を担当する講師。「あなたの専門は何ですか?」と聞かれるのが一番怖い。答えはいつもマチマチだが、心の中ではいつも「雑学」とつぶやいている。
学生時代(といっても、皆さんと異なりとっても長いです。そして私よりも学生時代の長かった人が講師陣に・・・)に休学して住み込みで働いた北海道のアイヌ集落での体験、その後にフィリピンで日本企業および日本人の生活によって引き起こされている被害を目の当たりにした体験が、この道に迷い込んでしまった原体験。

研究のテーマ
 「開発」という名の暴力が引き起こす環境・コミュニティ破壊および「開発」暴力に対する住民の抵抗活動(=平和活動)を歴史的、世界的な変化の中で捉え、そのグローバルな変遷の中から具体的な希望を見いだすこと。フィリピンの鉱山開発と電源開発が具体的な研究対象。


中馬 祥子 (ちゅうま しょうこ)(担当予定日 6/22・29)

出身:東京
國學院大學経済学部教員

専門は低開発国における貧困問題と世界経済との関係についての研究です。個々の貧困者の日常生活は具体的にどのような形で資本主義世界経済の展開と結びついているのでしょうか。こうした問題を考えながら,スリランカの農村開発NGOにボランティア参加したり,ベトナム北部農村に入ってそこでの人々の労働のありようを見たりしてきました。今は,こうした実地の経験&調査をI.ウォーラースティンの世界システム論と結びつけ,貧困問題の立体的な把握を目指しています。

得意なことは食事。作る方もまあまあですが,食べるほうがもっと得意で,極めて高いエンゲル係数を誇っています。


鶴田 雅英(つるた まさひで)(担当予定日 4/20,5/25,6/15)

1959年生まれ
勤務先;社会福祉法人東京コロニー東京都大田福祉工場

福祉工場という名前の普通の印刷工場で働く工場労働者が日常の私の姿です。ここで、労働組合の活動にも関わっています。
その他、いま(2002年4月現在)係わっていること。
1、OCNet(外国人とともに生きる大田・市民ネットワーク)のメンバー。ここは東京の大田区で外国人のための生活労働相談や日本語教室、企画交流イベントなどをやっている団体です。日本語教室のスタッフもやっていて、毎週木曜日の夜は日本語教室に通っています。2001年の秋から、この団体の代表ということになっていますが、・・・。
2、ピープルズプラン(PP)研究所の「グローバル化と民衆運動研究部会」に参加しています。
3、原爆の図丸木美術館の友の会の活動のお手伝いをしています。これは埼玉、東松山市のはずれにある美術館です。丸木俊・位里という夫婦の画家の共同制作の「原爆の図」が展示されている美術館です。肩書きは評議員ということになっていますが、主な仕事は開館記念日(5月5日)などのイベントのときに森林公園駅からの送迎車の運転などをしています。
4、やさしいまちづくりを進める大田区民の会の事務局を担当しています。これは2002年の3月に出来たばかりの団体です。バリアフリーな大田区を作るために区民が主導で大田区とタイアップしてワークショップなどをしながら大田区のバリアフリーを進めて行こうというグループです。
5、障害学研究会(関東)
日本では90年代の後半に始まったばかりの障害学(Disabirity Sutadies)です。
障害学というのは従来、福祉や医療の観点(医療モデル)からしか語られなかった「障害」を社会モデルという視点でとらえようとする研究スタイルです。この研究会に参加しています。
6、ATTAC-JAPAN
テキストにも書いたグローバル化に反対する団体です。
他にも、かかわってることはいくつかあるのですが、きりがないのでこのあたりにしておきます。

ここにいたる背景
小学校の6年生になるまで、親の転勤につきあって、各地を転々として育ちました。それからは鳥取県の米子市に囲まれた小さな村で高校を卒業し、浪人まで過ごし、それから東京の暮らしです。
東洋大学哲学科というところを一応卒業したことになっているのですが、最初の3年は新聞少年としてもっぱらバイト、後半の3年は学生運動に埋没していました(といっても、今考えるとたいしたことはしてなくて、勉強してないいいわけですね)。そんなぼくを大学は出したかったようで、それはぼくの利害とも一致したのでなんとか卒業という形になったのでした。

戸ア  純(とさき じゅん)(担当予定日 4/13・20/27,5/11・18,6/8,7/6・13)

所属;東京都立短期大学 
大阪府生まれ

国際経済学が専門です。現代帝国主義論や南北問題を研究してきました。
サミール・アミンという研究者(第三世界の開発論批判や世界資本主義分析をしている)
の書いたものに関心を向けてきました。
最近、目を向ける領域が多角化していて、どうもまずいと感じています。
連休明けにもださねばならないのが、高齢化社会に関する調査・分析の報告書です。
研究テーマは、そうですね、地域自立ですかね。
無芸大食を誇って半世紀。
最近、自らの存在それ自体が環境負荷にならないように、つれあいに影響されて、その指揮・命令のもと、家庭菜園に余暇を過ごしています(自立的隷農制)。

蓮井 誠一郎(はすい せいいちろう)(担当予定日 4/27,5/11・18)

1971年生まれ
出身 香川県高松市
所属;筑波大学大学院社会科学研究科博士課程

 「子供の頃はええ子やったのに」と言われます。公立小中高から地元国立大学へ現役で。教育費的には親孝行だったと思います。が、地元の公務員を切望する両親に突如として反旗を翻し、大学院へ進学。明治学院大学国際学研究科を経て、現在に至ります。大学は筑波大で三つ目。教育費的に(驚異的に)親不孝です。その他の面でも負けてませんが・・・。
 専門分野は国際政治学です。特に紛争論や安全保障論、戦争についての研究に興味があります。どうもサツバツとしてますね。ただ、人の命が数字になって扱われることに、いつもとまどいを覚えます。他にうまく事件の悲惨さを伝える手段を模索中です。軍事オタクと、心ならずも言われたこともありますが、今の世の中、オタクになるくらいの情報量がないと、やっていけないかもしれませんね。
 現在の研究テーマは「環境問題と安全保障」です。環境問題は、地域住民同士の争いだけではなく、地域住民と国家、または国家間の争いへと拡大する可能性を秘めています。その意味で、戦争や武力行使などの直接的暴力だけをその脅威としてとらえた伝統的な安全保障論としてだけではなく、私たちの生命や財産に対する「安全」を、新たな形で脅かす環境問題を、これまでとは違うかたちの安全保障論につなげていきたい、と考えています。「環境安全保障」という言葉もありますが、これともあわせて、新しい安全保障論について苦悶する毎日です。
 趣味は最近やってないですが、自転車で旅行することです。キャンプとか、アウトドアもやったりします。ほかには、パソコンいじるのが好きですね。趣味がこうじて大学をはじめ、いろんなところでパソコンいじりの依頼を受けます。最近は本業なみに忙しくなってきました。料理もしますが、最近はアウトドアとともにご無沙汰に。本とパソコンの画面を眺める毎日です。おかげで太ったし・・・。ゆっくり時間がとれそうでとれないのが最近のゼータクな悩みの種。

宮寺 卓 (みやでら たかし)(担当予定日 4/13・20・27,7/13)

立教大学大学院経済学研究科を満期退学して,立教大学と短期大学で非常勤講師をしています。なぜか短大講師の方はみんなに羨ましがられるのが不思議です。

高校の頃に環境問題に関心を持ったのがこの世界に入るきっかけでした。当時はこのまま工業化を進めていったら地球の環境はどうなってしまうのだろう,と心配していたのです。そこで大学院に進むことを決めたとき,「もうひとつの発展」をテーマとしました。つまり工業化に代わるるような別の発展の方向性を探ろうとしたのです。でも実際の活動を見てみると,どうも違和感があって・・・気がつくとウォーラーステインの世界システム論にたどり着いていました。

世界システム論というのは文字通り世界を単一のシステムとして捉えます。政治も経済も文化もひとつの枠組みに置いて捉えなければならないと考えるのです。従って,これまで政治だけ扱ってきた政治学,経済だけ扱ってきた・・・そうした既存の社会科学に対しては,その存在意義からして疑ってかかります。すごいでしょう?

当然ケンカになります。でも,学問というのはケンカをしないとつまらないのです。みなさんも講義を漫然と聞いていないで,講師にケンカをふっかけると,面白くなります。温厚そうな○○教授が口から泡をとばして・・・,そのための方法はちゃんと用意しています。授業でもいいし,レスポンスシートでも,メーリングリストでもいいです。何を言ったらいいか分からないですか?それはご自分の感覚でいいのです。講義内容がどこか変だなと思ったら,それを言葉にしてみてください。

山田 修(やまだ おさむ)(短躯亭)(担当予定日 6/1)

1957年、江戸郊外は蒲田郡本羽田村生まれ(異説には生年不詳とも。だって覚えてないんだもん!)、福島はやくざの抗争で有名な郡山育ち。母方の出身地である会津に心を寄せ、会津独立=共和国樹立を夢見ることン十年。長じて薩長出身の実に得がたき友人を得、大いに決意が揺らぐ。ニックネームの由来は実物をご覧いただければ一目瞭然。
 学生時代は馬克思(まるくす)などを主に読み込む。1970年代中盤から在京のマスコミ世界を転々とするかたわら、城南地域で核燃料輸送関連などの市民運動に関係を持ち、1980年代末にフィリピンに蟄(ちっ)居して以来、子どもと社会や社会階層、開発援助とその周辺について勉強。最近はコメを軸とする定住農耕社会について、隣接するマレーシアやタイなどと比較しながら体育会のノリでフィリピンなど東南アジアをさまざまに勉強中。趣味は食べ物とお酒(製造含む、主に消費方面で貢献してるけど)。年のうち何度かは一時的に密輸手配師に変身する。特技はやくざ言葉。不良キリスト教徒。これまでの交友関係から水商売には大いに関心あり。合言葉は「あなた、茂作さんじゃありゃしませんかい?」Aren't you, Mosaku?アンチュウ モサク?暗中模索。

横山正樹(よこやま まさき)(担当予定日 4/13,5/25,6/1・15・22・29,7/6・13)

 平和研究者・フェリス女学院大学国際交流学部教員
 関心分野はフィリピンをはじめアジア太平洋地域における開発/環境問題の平和研究。日本の政府開発援助(ODA)事業の現地への影響を調べつつ、各地域の住民運動やNGOの自力更生努力と国境を越えた市民的ネットワークに関心をもち、当事者たちとの交流を30年ほど続けてきた。
日本平和学会理事、NPO法人・ピースデポ理事。
 1948年東京生まれ、立教大学理学部物理学科卒、同経済学研究科修士および博士後期課程に在籍中、いまでいうところの環境NGOに相当する東京大学公開自主講座「公害原論」実行委員会事務局を担当。近隣アジア諸国への公害輸出、核軍備や原子力発電、水俣病など産業公害、太平洋諸島海域への核廃棄物投棄計画などにかかわる市民運動に参加し、諸現場に被害者たちを訪ね歩く。
 1985年から香川県善通寺市の四国学院大学で教員。フィリピン大学やニュージーランドのカンタベリー大学で客員研究員も経験。1997年から現職。
 著書『フィリピン援助と自力更生論―構造的暴力の克服』(明石書店)、共編著書『平和学の現在』(法律文化社)、『開発援助の実像―フィリピンから見た賠償とODA』(亜紀書房)、『ポスト冷戦とアジア―アジアの開発主義と環境・平和』など。